足には、それぞれ別の仕事が割り振られています

週足を開いて「上だな」と思う。日足を開いて「まだ上だ」と思う。4時間足を開いて「お、下げてる」と思う。1時間足を開いて「戻してきた、いけるかも」と思う。

——四回、同じことをしていました。

四枚とも、私は同じ質問をしていたんです。

「これから上がりますか、下がりますか」。

四人に同じ質問をして答えが揃った日だけ入って、揃わない日は画面の前で腕を組んでいました。

いま、私は同じ四つの足をまったく違う使い方で見ています。画面には月足と15分足も並んでいますが、今日の話はこの四つです。四つの足に、四つの別々の仕事が割り振ってある。

週足の仕事、日足の仕事、4時間足の仕事、1時間足の仕事。全部違います。だから答えが揃うのを待つ必要がない。順番に降りていくだけで、一つの取引が組み上がります。

一回の取引をいちばん上から順に降りながら、足ごとの仕事を並べます。

目次

週足の仕事:方向を決める。それだけ

私の週足は、月曜から金曜まで一度も仕事をしません。

週足の仕事は週末のうちに終わっています。開いて高値と安値がどちらへ切り上がっている(あるいは切り下がっている)かを見て、「この通貨は今週買いだけ」「この通貨は今週売りだけ」「この通貨は枠の中(向きは日足の20日線と60日線で見る)」「この通貨は今週触らない」——四つのうちどれかを書きます。

触らないのは、方向も枠も読めない通貨です。それで週足の出番は終わりです。

平日、私は週足をほとんど見ません。見ても判断は変えません。数時間で覆るような決定を、週足はそもそもしていないからです。

大事なのは、週足には「いつ入るか」を聞かないということです。聞いても答えられません。週足の1本は5日ぶんの値動きを1本に潰した絵で、その中で価格がどこを何回往復したかはもう消えています。

入る場所を週足に探しても、5日ぶんが1本に潰れた絵の中にはもう映っていません。

方向だけ。それが週足の全仕事です。

日足の仕事:この取引の「始まり」を決める

次に日足を見ます。日足に聞くのは方向ではありません。「始まっていいか」です。

私が待っているのは、日足の20本の移動平均線と価格がいったん寄ってまた離れ始める瞬間です。トレンドの途中で価格が一度その20本の線のほうへ戻ってきてひと息ついて、また元の方向へ走り出す——あの入れ替わりの一点。

ここが、この取引の起点になります。週末に決めた方向といま離れ始めた向きが一致していれば、その通貨は「始まった」。一致していなければ、どれだけ形が綺麗でもそれは別の誰かの取引です。

注意したいのは日足が始まっても、まだ何も起きていないということです。始まったのは私の準備であって、注文ではありません。ここで買ってしまうのが、昔の私でした。

「動き出した、乗り遅れる」と思って成行を押す。押した瞬間に価格が止まる。つまり、始まった合図を見ただけで入っていたということです。

4時間足の仕事:波を作る。私は見るだけ

4時間足では、一度押し戻して、そこから本格的に走る——その波が目の前で進んでいきます。

この時間、私の仕事は見ることだけです。注文は出しません。ラインも引きません。

ただし、たった一つだけ目でやらなければいけない仕事があります。押し戻しが、耐えたかどうか。ここだけは機械にも他人にも任せられません。

見るのは二つです。4時間足の直近の安値を切り上げて止まったか(買いの場合)。そして、日足の20日線を4時間足に置き直した線(4時間足では120本の線)を深く割り込まずに済んだか。

両方そろえば、この波はまだ生きています。安値を切り下げてその線の下へ沈んだなら、この取引は始まる前に終わりです。私は何も失っていません。まだ一円も張っていないからです。

押し戻しは、これから走るかどうかを走り出す前に教えてくれる唯一の場所です。派手な走り出しを見てから動くと、乗る場所はもう後ろに過ぎています。損切りを置く場所も同じです。

1時間足の仕事:ここで、注文を置いて立ち去る

押し戻しが耐えた。ここで初めて、1時間足を見ます。

1時間足では、押しが止まって跳ね返ったあと、いちばん近くに小さな山ができています(売りなら、いちばん近くにできた小さな谷です)。その小さな山を横に結んだ線が、ネックラインです。

谷が一つでも二つでも、構いません。私はこの線の少し上に、逆指値の買い注文を置きます。損切りは、押しの底の下(底が二つなら低いほうの下)。

そして、画面を閉じます。

ここが、私にとっていちばん大きな転換でした。私は入るかどうかを決めていません。

線を引いて注文を置いて、立ち去っただけです。価格がネックラインを超えれば、私は自動的に入っています。超えずに崩れれば、私は入っていません。入ることと見送ることが、同じ一つの動作になっている。だから迷う隙がありません。

昔、私が画面の前で固まっていたのは意志が弱かったからではありませんでした。その場で見て、その場で決めようとしていたからです。決定を、いちばん手が震える瞬間に置いていた。置き場所が間違っていたんです。

なぜ、仕事を分けると迷いが消えるのか

四つ並べると、こうなります。

STEP
週足

方向を決める。いつ入るかは知らない

STEP
日足

起点を決める。まだ何もしない

STEP
4時間足

押し戻しが耐えたかを、目で確認する(走るのはこの足。私は見るだけ)

STEP
1時間足

注文を置く。そして立ち去る

昔の私が四枚に同じ質問をしていた時、四人の答えは当然のように割れました。

割れて当たり前です。同じ質問をすれば、答えは割れる。そして私は、入りたい方向に賛成してくれる一枚だけを探していました。四枚開いていたのに、見ていたのは結局その一枚です。

いま、四つの足は言い争いません。それぞれ別のことを聞かれているからです。方向の答えは週足にしかなく、入る場所の答えは1時間足にしかない。ぶつかりようがない。

迷いが消えた理由に、私の成長は一つも入っていません。質問を分けただけです。

起点が一段下がると、はしごごと一段ずれる

もう一つだけ足しておきます。この四段のはしごは、位置が固定ではありません。丸ごと一段、下へずらすことができます。

日足ではなく、4時間足のほうで18MA(18本の移動平均線)と価格が寄って離れ始めた時。その時は、起点が4時間足になります。注文を置くのは15分足です。役の中身はまったく同じで、担当する足が一つずつ下へずれるだけです。

日足を起点にすれば数週間の波、4時間足を起点にすれば数日の波を取りにいく形になります。私は日によってどちらも使いますが、一つの取引の中で混ぜることだけはしません。

4時間足を起点にして入ったのに日足の波が終わるまで持とうとすると、日足の波が来る前に4時間足のさざ波で刈られます。入り口と出口は、同じ段のはしごで揃えます。

今週、一つだけ試してほしいこと

長く書きましたが、今日の話は一行に畳めます。

上から順に降りる。降りきるまで、注文は出さない。

もし試していただけるなら、次のチャートで一つだけやってみてください。

いつも入る前に、四行だけ書く——「週足は◯」「日足は◯(始まった/まだ)」「押し戻しは◯(耐えた/崩れた)」「1時間足のネックラインは◯円◯銭」。四行が埋まらないうちは、注文を出さない。

たぶん、その週は入る回数が減ります。減った分は、始まった合図だけで入っていた回数です。

——ただ、これも私が言っているだけの話です。信じないでください。ご自分のチャートを四枚開いて、この四行が本当に埋まる場面がどのくらいの頻度で来るのかご自分の目で数えてみてください。数えた人にしか、この話は効きません。

書けた四行があれば、メールの返信で一行だけ教えてください。「三行目で止まりました」でも構いません。

むしろどこで止まったかのほうが、私には面白い報告です。個別のお返事はしていません。でも、全部読んでいます。(受け取っていない方は、下のご案内から。)

次に読む

——はしごの途中でいちばん大事な「押し戻し」だけを、丸ごと一本にした話です。

——なぜ足ごとに聞くことを変えると、意見の割れが止まるのかです。

——四段目の「注文を置いて、画面を閉じる」の本編です。

——週足の中の2本の線に、さらに別の仕事がある話。

——足の中の線にも、それぞれ別の仕事がある話。

四段の梯子を、実際にどの画面のどの線で確かめるのか。チャートの設定から順番まで、無料の一冊に通して書きました。

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【ご確認ください】
本記事は私の経験と考え方の共有であり、特定の金融商品の売買を推奨・勧誘するものではありません。
投資には元本を割り込む損失のリスクがあり、最終的な判断はご自身の責任で行ってください。


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この記事を書いた人

トレードの本質を語ります。聖杯も未来を言い当てる方法もありません。あるのは相場の流れを見極め、優位性が生まれるまで待ち、間違えたら撤退するという地味な積み重ねだけです。私を信じる必要はありません。すべてご自身のチャートで確かめてください。

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